どんなときも、私は私

  若い時、老いの時   健康な時、病気の時   皆と一緒の時、独りの時     どんなときも、私は私

がんが再発したらしい、と医師に言われたときも、確実な治療方法は手術だけと説明されても、手術後の絶食が終わり、病院のごはんが再開されたときも、ごはんはちゃんと食べることができた。

今も、病気の影響は、いろいろある。
でも、ごはんが旨い。
不思議なことだが、この食品交換表によるごはんになって、若くて健康なときよりも旨いのだ。DSC_2687
サケの鍋もの。
サラダも白菜もヨーグルトもラズベリーもアーモンドもみかんもみんな楽しみ。DSC_2688
特に鮭の鍋物、石狩鍋は、旨い。
鮭はもちろん、野菜もスープも残すところがない。
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アーモンドは、油分を補うため。ところが、この食感がまたよい。
サラダは、トマトとレタスが豊富で、量もたっぷり。

すい臓がんが再発しても、現在の医療とそして運がよければ、こんなごはんを食べることができるのだ。

 がんの宣告を最初にはっきりと受けたのは、一回目の手術後の検査結果を知らされたときだった。
 手術前は、がんである可能性が高い、と言うのが医師の診断結果だった。少なくとも、がんではない検査結果はほぼなかった。すい臓に見つかった腫瘍は、がんである可能性が極めて高く、その腫瘍を放置するなら切除ができなくなる可能性がある、と聞かされたときも、手術後の検査で、がんであったという宣告を受けたときも、不安、恐怖、悲しみを感じた。しかし、我を失うということはなかったし、その後の治療に迷うこともなかった。
 今回のがん再発の可能性が高い、という診断を聞かされたときも、最初のときとあまり違った感じはなかった。それよりは、一回めの手術で温存されていたすい臓を全部摘出するという治療が可能である、と聞かされた方に驚いた。

 二回のがん宣告、悲しいし、なりよりも不安で体中が灰色に染まる感じだった。
 
 その私が、今、楽しんでいる。
 冬は、生魚が旨い。カミさんに頼んで、煮魚三昧だ。DSC_2679
身の厚いカレイ。
柔らかな口当たり。
骨が取りやすく、食べやすい。
魚の脂が、たっぷりなのに、味は淡白。
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これのおかげで、米が旨い。
たっぷりの生野菜もなんの味付けもなく、食べられる。

おかわりができないせいだろうか?
嫌だから、煮物は残して、サラダを増やすなどができないからだろうか?
食事が旨ければ、旨いほど、満腹感がない。
満腹感がないのに、カミさんが工夫してくれた種類豊かなおかずと炊き立てのごはんを食べ終わる頃には疲れてしまって、眠り込みそうになる。
インスリンを打つようになってから、どんな場合も、空腹感も満腹感も当てにならなくなってしまっている。
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2020/1/10晩
タイのアラ煮、サラダ、煮物とたっぷりのおかず。
タイのアラ、脂は強くないのに、濃厚。
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ごはんも晩ごはんとして、十分な量。
デザートには、柿とブンタンと甘みも香りも豊か。
それなのに、何か物足りない???



 でも、ラーメン・ライス大盛りを食べて、ああ、腹いっぱいだ、と感じていた満腹感が正常だったのだろうか?

 すい臓がなくなり、インスリンを人工的に補っているのだから、食べる物と量を一定にしなければ生きてはいけない。それを理屈では理解はしている。
 だが、すい臓があったときの食べることへの意識を変えられないでいる。
 例えば、以前の三食の主食は、概ねの量は決まってはいたが、量を計ることなど一度もなかった。
 カレーライスのときは、お腹が空いていればふだんの二倍にもなる量の白米を食べることもあった。それで、満腹感を味わった。
 食事の前に、煎餅を食べたくなり、ついつい五枚も六枚も食べてしまった。そういうときは、ご飯少なめでいいよ、と少なく食べ、それはそれで満足していた。

 今は、違う。

 最近は、食欲が強いので、いつも足りない感覚に襲われる。計量のときは、絶対に二百グラムを欠けないように計りさえする。
 これが、改まらない。

 もし、あの時検査を受けていなかったなら、もしも、癌が切除不可能な位置にあったなら、私は生きていなかった。今の医学的な治療と薬がなければ、私は今も生きていることが難しい。
 どんな人もいつ死ぬかは分からない、というのは真実だが、それが私の場合より切実だ。
 そのせいだろうか?食べることに心が向く。

サンマを煮てもらった!!
すい臓がある時には、「煮魚なんて‥‥」と舌が反応していた。

鮮魚売り場では、解凍ながらサンマが旨そうに見える。
カミさんは、普段はあまり生魚を使わないので、乗り気じゃない。
でも、頼んだ。

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旨いではないか!!
骨も全部食べられる。

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味の好みについて、完全に生まれ変わった。

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